A 4月は一緒に診療を行い、5月から院長を交代しました。今は良い先生に継ぐことができてホッとしています。
A 開業医に定年はありませんが、私の親族に後継者がいなかったことから、引き際をいつにするか、2~3年前から漠然と考えていました。本格的に動き出したのは1年半ほど前からです。
A 私の患者さんは高齢者が多く、歩いて通院できる医院が無くなるととても不便になるので、どうしても医院は残したいという思いが強く、誰か適任者がいれば譲りたいと考えていました。
A 当院の顧問税理士が承継に積極的であり、条件交渉や煩雑な手続きもスムーズに進めていただきました。また、開業を希望される先生と偶然巡り会えたことが譲渡を決めた一番の要因と考えています。
A 「承継」は「閉院」よりも経済的にメリットがあり、承継を選択したことで、将来にわたって地域医療をつなぐことができたと考えています。
A 私が開業したのは一昨年の11月ですが、前加藤院長が亡くなって約10カ月の休止期間がありましたので、離れた患者さんもおりました。地域の方々には、高齢化が進む地域に若い医師が来てくれて助かっていると言われることがあります。今では徐々に新しい患者さんも増え、「身近な心臓のかかりつけ医」として、来院する患者さんとの出会いを大切にしています。
A 開業する計画はなく、宮城と新潟で勤務医として約15年、循環器内科専門医として主に心臓カテーテル治療に取り組んできました。ただ、医師になった時から地域医療に興味があり、医療の乏しいところで地域医療に貢献したいという漠然とした思いがありました。
A 秋田市出身である私の妻が前院長のいとこに当たる縁で、前院長がご病気になられてから、最初は妻を通して、その後お亡くなりになる前に実際お会いして、「診療所を引き継いでほしい」という話がありました。その頃、私がやってきた心臓カテーテル治療について、ある程度の達成感が芽生えていたことや、整形外科医である妻の勤務環境を考えたとき、加藤家の思いをつないで地域に密着した医療を行うのもやりがいがあると思うようになり、引き継ぐことを決めました。
A 夫婦で医師として働き続ける環境を考えると、地方での暮らしは魅力的と考え、男鹿への移住を決意しました。そのことに不安はありませんでした。最初は単身でしたが、昨年の4月から妻と子どもも男鹿に来まして、今年の2月には診療所の裏手に住居を新築しました。小学生の子どもは地元の学校へ通っています。
A 15年前に建てられた診療所や医療設備とスタッフはそのまま引き継いで再スタートしましたので、患者さんは違和感なく通院していただいていると思います。私は加藤家と診療所のスタッフに支えられて開業しましたので、地域の診療所として多くの住民が利用した前院長の診療に近づきたいという思いから、「旧加藤診療所」を残す形で、「男鹿」の文字を加え、「男鹿加藤診療所」としました。
A 「病気を診ずして病人を診よ。」と大学で教わってきました。宮城県で研修医になった当初はまだ言葉の意味は理解していても、実践するにはほど遠い状況でした。新潟県に移り、徐々に診療を重ねていくに連れ、その人にとって本当に大事なことは何だろうかと考えるようになりました。今は一人一人の患者さんにしっかりと時間をかけて診察し、患者さんの気持ちに寄り添うことを心がけています。
A 自分のやりたい医療を患者さんに提供できることが開業の楽しさだと思います。開業医は管理者として苦労もありますが、その分やりがいもあります。これから開業を考えている先生は、いろいろな人との出会いを大切していただきたいと思います。
A 患者さんとも何度かお会いして、やっと落ち着いて来たところです。勤務医の時は、外来と病棟管理、オンコール対応、そして救急の日当直をやっていましたが、今は専ら外来だけですので、全体として勤務医の時よりは負担が軽くなっていると感じます。
A 多くの患者さんに来ていただいています。最初はコロナの影響があるかと思っていましたが、患者さんの受診抑制については、それほど感じていません。処方もたまに2カ月を希望する方がおりますが、記録を見ても長期処方はあまり増えていないと思います。
A いつかは「開業」ということが自分の将来における選択肢の1つと考えていました。
一昨年、自分の大学院卒業後の進路をどうするかと考えていた時に、たまたま継承開業募集の情報を知る機会がありました。ご縁がありまして、菅原前院長とお会いして、それで継承という魅力にいろいろ気づいたという感じです。
A 私は悩んだということはありませんでした。経営基盤を受け継げる「医院承継」にメリットがあるという思いに至り、その後はとんとん拍子で進みました。タイミングが良かったと思います。
A 看護師さんを始めとして、前スタッフ全員に残っていただいたので、クリニックの名前は変わっても患者さんは環境が変わったと感じずに通院されていると考えています。
A 患者さんに信頼していただくことが一番大事だと思いますので、気軽に相談できる「かかりつけ医」として、地域で愛されるクリニックにしたいと考えています。
A 引き継ぐ前後というのは非常に忙しかったですが、今は落ち着いて自分の仕事ができるようになってきた感じです。ただ、診療以外の管理者としての業務は実際やってみないとわからないことが多く、これからだと思っています。
A 前院長先生のお人柄もあって、ご近所の患者さんにたくさん来院していただいています。1か月の引継ぎ期間をいただいたこともあり、スムーズに引き継ぎできたのではないかと思います。患者さんは長年やられた前院長先生やスタッフの方を信頼していると改めて感じました。
A 開業については実はあまり頭になかったです。1年半ぐらい前に、たまたま自分の家族が医院を承継したい先生の情報を持ってきて、それから考えるようになりました。住まいが医院に近いこともあり、院長先生がとても良い方だと伺いましたので、これはもしかしていい話かな、と思い、お話を進めさせていただきました。開業医として、まさに住んでいる地域の地域医療に貢献できるということで、承継を決めました。
A 全くゼロからの開業となれば、いろいろ不安はあったと思いますが、住宅街ですでにたくさんの患者さんが来てくださっているとのことでしたので、特に悩むということはありませんでした。
A 前に勤務していた「地域のための医療」を理念とする病院でいろいろ学び、実践してきましたので、地域医療を担う気持ちは開業医になっても変わりません。今後も地域の患者さんに寄り添っていきたいと考えています。
A いろいろな情報を得る機会が必要かと思います。開業や承継を考える方は、結構多いのではないかと思います。地方の公営の診療所などについては時々新聞などで情報を見聞きすることはありますが、地域医療の実情、廃院や承継を考えている医院がどこにどのくらいあるのか、など、情報を集約して広く開示してくれるようなところがあればいいなと思います。また、信頼できる相談先が近くにあればなおよいと思います。